神楽の歴史

宮崎県は延岡市から五ヶ瀬川の上流、九州山脈のふもとに高千穂町があります。

天照皇大神(アマテラスオオミカミ)の天孫降臨で知られる日本誕生の地と云われています。この神話の地にふさわしく古くから毎年、夜神楽が晩秋から二月頃まで行われています。

この夜神楽は神社に奉納されるだけでなく民家でも行われることが日本でも他に類を見ない珍らしい特色で、午後三時ごろから「舞いこみ」からはじまり、つづいて「楽屋いり」、いよいよ神楽舞いに入るのは午後六時から七時ごろです。
一番から三十三番まであり、夜を徹して舞い通し、終わるのが翌日の正午過ぎとなります。 この神楽は先祖代々うけつがれ、ますます洗練され現在では高い芸術の香りさえたたえています。

舞い手は「ほしゃどん」(奉仕者)と云って農家の人々で、この地方の生活と深く結びついた神楽といえます。
神楽面はこの「ほしゃどん」には欠せないもので、古くから面様(オモテサマ)と云って魔除開運神の面(オモテ)としてうやまわれています。