ひょっとこ昔話

むかし昔、日向の永田村という所に、 おかめというそれはそれは美しい心のやさしい娘が住んでおりました。
村の若者は皆お嫁にほしがりましたが、選んだ若者は正直で働きもののひょう助という名前でした。
二人はそれはそれは仲良く暮らしておりましたが、 なかなか子供が授かりません。
そこでおかめは毎日朝早くお赤飯をたいて、村のお稲荷様にお供えをし「子供を授けてほしい」とお願いしました。
お願い参りの最後の朝、心のやさしいおかめさんをひと目見ようと、 お稲荷様がきつねの姿になって飛びだしました。おかめさんのびっくりした姿にきつねの方が驚いて踊りに変えて楽しませます。 おかめも踊りだしました。
毎朝、赤飯を持って出かける姿を心配していたひょう助も村人も笹の間から見ておりましたが、楽しそうに踊っている姿を見ていっしょに加わりました。
きつね、おかめ、ひょう助、 村人の順で踊りました。
お堂のまわりを三回半まわり、最後に踊った村人がほうきで、 はき清めました。